パリ美術館巡り? Withシャルトル・ブルー   ぼすとんばっぐ   2006-09-13 ~ 2006-09-13

パリ : 歴史・文化・芸術

パリには本当に沢山の美術館がある。短期間でこれらの美術館を全て回るなんて到底出来ないし、‘有名どころ’と言われる美術館を網羅することすら難しい。どの美術館を回るか取捨選択をすることになるが、これがまた迷うところだわね〜。

☆この日に見学した美術館

国立近代美術館・ピカソ美術館・市立近代美術館

最後の締めはシャルトル大聖堂で。シャルトル・ブルー、素晴らしすぎる..!!

ホテルに荷物を預けて、いよいよ美術館巡りを開始!まずは国立近代美術館を見学する為、ポンピドゥー芸術文化センターを目指す。写真は、ポンピドゥー芸術文化センターの前にあるユニークな噴水の1つ。
ポンピドゥー芸術文化センターの外観。 現代芸術を愛した、時の大統領ポンピドゥーが、伝統的な芸術ばかりに目を向ける文化政策に風穴を開けようと、現代芸術の拠点となるセンターを造ることを提唱し、1977年にこのセンターがOPENした(大統領は1974年に他界した為完成を見ることは出来ず)。 この設計に携わった建築家の1人はレンゾ・ピアノ(後に関西国際空港ターミナルビルを設計)。OPEN時、奇抜な外観によりブーイングが起きたこのセンターも今では受け入れられ、センターの5階・6階にあたる国立近代美術館は、パリ3大美術館の1つとして挙げられている。(私としても、オススメです!) 入口で荷物チェックを受け、中へ。1階でミュージアムパス2日券を30ユーロで購入し、エスカレーター(もしくはエレベーター)で5階へと上がる。 ※ミュージアムパスはどの係員(窓口)からでも購入出来るという訳ではなく、パスを管理している人が決まっているよう。窓口を確認してから並ばないと、並び直すことになってしまいます。購入した後は名前や利用開始日など必要事項をパスに記入すれば、使用可能。 ポンピドゥーセンター公式HP http://www.cnac-gp.fr/Pompidou/Accueil.nsf/tunnel?OpenForm
ポンピドゥー芸術文化センターの最上階レストラン。見晴らしは抜群。
最上からの風景。遥か向こうにはエッフェル塔が。
こちらは、遠く〜にサクレ・クール聖堂が見える。窓ガラスが汚れているので、画像としてはちょっと残念。
5階は映像と現代アートのエリアになっている。映像に興味がある人は必見の美術館!面白い!大きな廊下が目の前にデーンとあり、その両脇の壁がスクリーン代わりとなり、幾種類ものフィルムが上映されている。フィルムも人気娯楽映画の放映という訳ではなく、そこはやはり現代アート、サイレントムービーの‘リズム’がそこかしこで上映されている。同じ動作の繰り返しを延々と続ける様が上映されるのだが、ひたすらそれを繰り返すことによって、その動作自体に意味が無くなり、動作は視覚にリズムを与えるアートになる。フェルナンド・レジェの‘バレエ・メカニック’をここではたっぷりと鑑賞出来る。 両脇の壁の奥には更に個室があり、様々なショートフィルムが上映されていた。その他、光を活かしたアートも展示されていて、斬新でとっても楽しめる。 写真は反射板を利用したもので、色んな色の円形を次々と生み出していた。
この映写機の前を通って行く見学者の影がスクリーンに映し出される(この部屋を見学する人全員の影が映し出されるように設置されている)。自分の影がアートになり、人の数だけ作品が出来るというわけね。
四角い水槽の中に丸い鏡のようなものを入れて、鯉を泳がせ、鯉が鏡のようなものに当たる度に、水槽上のスクリーンに色んなパターンの模様が出来る。不規則で瞬間を生きているアート。
白いカーテンのようなものをくぐると、中はピンク一色!!(しかもショッキングピンク)他の方の旅行記でも拝見させてもらったけれど、やはり強烈な印象です。テーマがあったんだけれどLOVEだったカナ、何だったカナ..。指輪のようなリングがチカチカと光り、部屋に動きを与えている。そんでもってこの部屋が贅沢に広い!ピンクの不思議な空間だった。
これも色艶やか。大きなアート。
6階は近代絵画エリアになっていて、フォーヴィスム以降の近代絵画が展示されている。絵画も一流どころが勢ぞろい。 フォーヴィスム《野獣派》は、絵画から3次元性を排除し、2次元性を追及し始めた抽象芸術の出発点とも言われている。例えば、今まで人物を描く時はその人物の再現として生きているかのように描くのが当たり前だったが、‘イイじゃん、(もう写真機というものが出来たんだし)何も再現にこだわらなくても。キャンバスって2次元なんだからそこを追及して見ようぜ’ということで、印象派や後期印象派の影響を受け、色独自が持つ魅力に目覚め、人物を描いてもそれは再現ではなく、色彩表現をする為のモチーフとなった。つまり、色を再現性から解き放ち、画面に赤色が欲しければ、人の顔であろうが、まっ赤っ赤に塗りたくったのである。キャンバス画面における色彩の対比によるリズム、筆触のリズムを追及し始め、絵画の表現の可能性を探っていく。この色彩革命の後、今度は形態革命のキュビスムが誕生する。近代絵画に再現性を求めると??となりがちだけれど、キャンバスで何を表現したかったのかということに注目すると、とても楽しめる。 写真はアンディ・ウォーホル『10人のリズ』。
ルオー『傷ついた道化師』
ブラックの彫刻 他にもマティスやミロ、ピカソ、マグリット、ダリなどの作品が展示されていた。
次へ向かったのが、マレ地区にある‘塩の館’を改築した『ピカソ美術館』。ここは各地にあるピカソ美術館の中で一番作品が充実している。世界一のピカソ美術館。 この館は、1659年に塩税徴収官の邸宅として建てられ(職業名から‘塩の館’と呼ばれた)、18世紀にはパリ大司教のジュイニェ家の邸宅となり、その後工芸学校となり、以後は荒れ果てた無人の館となっていた。 ピカソが亡くなる5年前、‘遺産相続税を芸術作品で納めても良い’という新相続税法が出来る。1973年にピカソが亡くなると、手元に残された芸術作品が納められ、これらの作品を収蔵する美術館をつくることになり、この‘塩の館’が選ばれた。外観はそのまま、内部のみを改築している。美術館は1985年にOPEN。
入口ではピカソの銅像でお出迎え。 館内はピカソが死ぬまで手放さなかったお気に入りの逸品揃い。‘自分が世界一のピカソコレクター’と自ら言うほど、手元に残された作品数は膨大だった。その中の選りすぐりの作品が収蔵されている。「あ、この作品知っている!」という有名作品に出会えるハズ。ピカソファンならこの美術館だけは絶対に外せない! ピカソ美術館HP http://www.musee-picasso.fr/
館内の装飾がオシャレ。館が建てられた当時のままの彫刻らしい。四角い箱の中の美術館よりも、こういう邸宅を改装した美術館って素敵だなぁ。階段で2階へ上がり見学開始〜。
最初に出迎えてくれた作品は『庭の裸婦』。ピカソの恋人マリー・テレーズをモデルにした作品シリーズの一つ。 館内はとても空いていたので驚いた。こんなに名作揃いなのに、何で?やはり、印象派に人気が集中するのかしら?
‘キュビスム’の前、ピカソの親友の死後に描かれる‘青の時代’と呼ばれる作品が並ぶ。
青の時代の作品、『自画像』。
作品名はわからないけれど、見ているだけで楽しいなぁ。ピカソって色々な絵画様式に挑戦しているけれど、それぞれが完成されていて、素晴らしい−!
『椅子に座るオルガ』。ピカソの最初の妻がモデル。この奥様がいながら、マリー・テレーズと恋をするのよね。この美術館ではピカソの女性遍歴も良くわかる。女の敵っ..!と言いたいところだけれど、作品は素晴らしい。むむ〜。
とても大きな作品『化粧する女たち』。 私が小学生の時は‘人生ゲーム’ぐらいでしか知らなかったピカソだけれど(踏んではいけないコマの一つに‘ピカソの絵を買う’というのがあり、止まると大金を没収され「ガーン..破算したよ..」ということになる。)、絵を見る機会が増えると、やはり、物凄い画家だと思う。色使い、筆遣い、構図、センスが素晴らしすぎる。
顔が描かれたお皿を持ってポーズを決めているのがピカソ。私生活を垣間見れる写真も何点か展示されている。
彫刻ギャラリー。
ユニークな作品が並べられている。
『座せるマリー・テレーズ』。色づかいが素晴らしい。 他に同時期の愛人、ドラ・マールの肖像や、娘マイアの作品もある。
『闘牛・闘牛士の死』
地下の絵画ギャラリー。建物も面白い。
次は、『市立近代美術館』へ。 パレ・ド・トーキョーは1937年に開かれたパリ万博の時に建てられた。ピカソの『ゲルニカ』など、当時は受け入れ難かった前衛芸術を会場に展示。世界中にこれらの芸術を広める美術館としての役割を果たし、周囲を驚かす。万博終了後、近代美術館をパレ・ド・トーキョーの東棟に設営する計画が立てられ、1961年に『市立近代美術館』が正式OPENする。日本風の造りが外観に活かされていることから、パレ・ド・トーキョー(東京宮)と呼ばれているらしい。(この万博での日本館は別の建物です) エコールド・パリからフォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスムなどの作品が豊富に展示されている。見応えは十分あり。 市立近代美術館HP http://www.paris.fr/portail/Culture/Portal.lut?page_id=6450
大きな部屋の壁面に広がるデュフィの『電気の精』。1937年のパリ万博の時に制作された作品が現在もそのまま残っている。250枚ものパネルを繋ぎ合わせているのだとか。圧巻です!
ハイム・スーティン『赤い服の女』。スーティンはうねるような作品を描く。風景画も面白いです。
藤田嗣治の『寝室の裸婦キキ』。
絵の縁にもなっているカーテンにも細かい筆使いが!!
私のお目当ての一つ、キース・ヴァン・ドンゲンの作品の写真も撮ったけれど、自分が映りこんだので残念。他にもマティスやピカソ、ドラン、モディリアニ、ユトリロなどの作品もあった。 写真は移動の途中、転がっていたレモン。並べ方にもこだわりがありそうな、なさそうな。
黄色の作品がキッチュで目を引きました。
ここに来て絶対に見逃してはいけない作品、マティスの『ダンス』。習作も一緒に展示されている。
怒涛の美術館巡りの後は、これまた絶対に外せないシャルトル大聖堂へ行くことに。 モンパルナス16:25発→シャルトル17:17着(列車移動) シャルトル・ブルーは午後遅くに行くと素晴らしいと聞いたので、夕方間際を狙って到着。しかし、まだ日が明るいので付近を散策。
フランスらしい、可愛い家並みが続く。
シャルトルを流れるウール川の景色。
シャルトル大聖堂のフライングバットレス。建築としても見応えがある。アンリ4世は歴代王の中で唯一ランスではなく、シャルトルで戴冠式を挙げたとか。 この大聖堂は1979年に世界遺産登録。 大聖堂を上から見ると、十字架の形をしているらしい。
では、そろそろ良い時間帯のようなので、シャルトル・ブルーを見に中へ入ってみることに。
ステンドグラスの素晴らしさは想像以上だった!!パリのノートルダム寺院のバラ窓の方が大きく華やかなんだけれど、シャルトルは何て言うんだろ、ステンドグラスをこよなく愛する職人がひとつひとつ丁寧に作った芸術作品という感じかな。柄が大雑把でなく、単なるシンメトリーでなく、不規則で絵画のように細かく作られている。そして、醸し出す色が素晴らしい−。 青い色のステンドグラスがズラリと並ぶが、写真では絶対に残すことの出来ない幻想的な青。散りばめたような他の色と相まって、キラキラする青い宝石のようだった。 午後遅くだと、大聖堂には光があまり入らず館内は暗い。しかし、外はまだ日が射している。そして入口正面は西側なので、正面から日のライトが当たり、映画館で映画を見るように、ステンドグラスの色がハッキリと浮かび上がってくる。だから、シャルトル・ブルーを見るのは午後遅くが良いのかな?もー、これは絶対に見に行った方が良いデス!! 入口正面のバラ窓(写真)を撮った直後、「で、電池がぁ〜」とバッテリー切れになり、写真は以上(昨晩は夜行列車移動の為、充電出来ず..)。正面より北と南のバラ窓が素晴らしく、私は南のバラ窓がお気に入りです。(写真の下の3連の窓は有名らしい)。これだけ感動をもらって入場料無料。 シャルトル大聖堂HP  http://www.diocesechartres.com/cathedrale/ 歴史や、ステンドガラスの説明が細かくされています。但し、フランス語ですが..。英語も作って〜。 しばらくボーッと座っていると、ミサが始まった。真っ白い服を来て、アカペラの賛美歌の合唱が始まり、大聖堂内に透き通るような声が響き渡る。観光客もほとんどいない中、誰の目を意識することなく自らを浄化するような少人数の合唱に感動し、生まれて初めて旅先で涙がボロボロ..。閉館時間を過ぎていたので観光客が長居をしてはいけないと思い、驚くおじさんを横目にパリへと戻ることに。 1人旅もいよいよ今日まで、明日からは友人と合流する。素敵な締めくくりが出来ました。 シャルトル19:22発→パリ・モンパルナス20:18着(列車移動)
昨晩ニースから夜行列車に乗り、早朝パリのオステルリッツ駅へ到着。さ〜て、ホテル探し。オードリー・ヘップバーンの‘シャレード’の舞台になったホテルを目指したが満室。近くに清潔そうな外観のホテル(寮のような)があったのでそこへアタックしてみると、OKだった。 ロビーはオシャレなインテリアに囲まれ、インターNETカフェもあり、なかなか良い感じ。しかしこのホテル、エレベーターが無い。私は最上階の部屋だったので、物凄い筋トレを繰り返したのだった。 ☆HOTEL DU COMMERCE 住所:14,RUE DE LA MONTAGNE STE GENEVIEVE 75005 PARIS 電話:+33(0)1 43 54 89 69 http://www.commerce-paris-hotel.com/index.html シングル・食事なし・バス付・トイレ無しで59ユーロ。 部屋はシングルにしては広く、清潔にはしてある。しかし、部屋の床や外の廊下はかなり傾いていて、建物自体は相当古いようだ。この時期のパリでこの値段なら文句は言えませんが。